桜の季節に京都でおいしいものを食べて花を愛でる。昨年から友人たちとノリで計画した京都行き、今回は友人夫妻に加えて大阪から姪も合流となりました。4名だったのでホテルでなくて町家の一棟貸しにチャレンジ。滞在したのはパトさんの五条坂町家です。なんでもフランス人写真家さんがオーナーなのだとか。清水寺にも歩いて行ける距離の住宅街にある、坂を少し下った先の一軒家で2階建て90㎡越えなので4人でも余裕かな、と。
テンキーを押して開き戸を開けると、そこはもう独特の町家の空間が広がります。親戚の太っ腹かつ洒落たオジさんに「うちらの旅行中は自由に使っていいから〜」と誘われて訪れた気分です。格子戸や漆黒の梁などを見て一気に昔にタイムスリップした感じ。ですが、よく見ると壁の色が新鮮だったりして、昔ながらの町家に独自の感性で内装が施されています。
インテリアもきものの帯や色打ち掛け、甲冑などがアクセントで飾られていてかなり凝っています。おお、これがオーナーさんのこだわりなのね。お台所の奥はお座敷、そこから見える坪庭の石に椿が散らしてあり思わず、おお、これが京都だー!とテンションが上がります。
ころは3月末で、ちょい雨模様。桜は咲きはじめたのですが開花は場所によりけり。御所の枝垂桜はいい感じ、白川は咲いているけど岡崎はまだ、など、ちょいちょいはいってくる開花情報に気もそぞろでした。おくどさんと呼ぶにはモダンなオール電化のキッチンにティーバッグが用意してありました。さっそく湯を沸かしてくつろいで、床暖房がついているお座敷で畳と座布団の上にごろんと横になったり。畳は固さと柔らかさが絶妙かつ床暖房のぬくぬくとした温かさで、これは落ち付きます。いくらでも寝てられるー(笑)。
祇園でお草履を誂えたり白川や円山公園の桜を楽しんだり、石塀小路のシェリーバーで京野菜のバーニャカウダに舌鼓を打って、おうちに戻り(って、もう自分ん家かよ!)、寝室へ。友人夫妻は1階の、わたしと姪は2部屋ある2階の寝室をそれぞれ使いました。1階はバスタブ付きのお風呂とトイレ、2階はシャワーとトイレがついているので、朝の洗面時も込み合うことなくスムーズに。ドライヤーもあって、ホテルと違うのは寝間着と歯ブラシ持参くらいでしょうか。もちろん、ソープやシャンプー、タオルなどはちゃんと揃っていました。
わたしの寝室は大きな松が描かれた屏風が壁のしつらいになっていて、窓にはツルの木枠が。松にツルとそれだけでおめでたくて、なんだかお大尽になった気分です。まだまだ朝晩冷える時期なのですが、エアコンに加えてラジエーターがついていて、これがすごくいい感じ。空気が乾燥しないしやんわりとした温かさで、安心して眠ることができました。
翌日は早朝から人気のない清水寺へお散歩したり、ご近所にあるいい雰囲気の珈琲屋さんでモーニングを食べたりと、観光の中心地なので朝からいろいろと楽しめます。いやはや、オジさんのお陰で感性を刺激されながらも、ゆったり京都の旅ができました。
五条坂の町家はまるで実家のような心地よさですが、うちの実家はこんなきらきらしたセンスないわー。やっぱりオジさんのお陰だわー。パトさん、ステキな宿をありがとうございます!(フランス人写真家のオジさんはいないけど)、わたしも大人になったらこんなセンスが光る太っ腹なオジさんになりたいです(女ですけど)と、つくづく感じた京の旅でした。
東京のS.O.さま
お友達ご夫妻と姪御さんの4名様ご利用(桜の季節に2泊3日)